2008年06月10日

パーシー・フェイス・オーケストラ2008ジャパンツアー(長文 ^^)

ずっとファンだと言いながら、生まれて初めてコンサートに行く機会が出来た。

プログラムなど概要は<続きを読む>以下のページで。ちょっと長いです。

コンサートに付き物のパンフレットの配布や販売が無くて、1枚のチラシに曲順を印刷されたものを配られただけなので、買う気満々で行った僕は拍子抜けでした。パーシー・フェイスについてはWikipediaをご覧ください。

しかし演奏はもう本当に素晴らしいのひとこと。大満足。

プログラムは下の方に書いた通りなんだけど、途中ひょっとするとイレギュラーなセッションがあったかも(笑)。プログラムはみんな知っている曲だから全く見てませんでした。時間が経つのが早い早い。

トランペットの方(他人様のブログではドン・レイダー氏とのこと)のアドリブプレイ、珍しい横向きのフリューゲルホーンで、演奏は往年の輝き(渋さ)そのままに、円熟の加わった音楽。イヤ、ホントに素晴らしい。お歳は70歳は軽く越えていらっしゃるかも。年齢による衰えどころか、目を閉じて聴いたら若い方の人のアドリブかと思うくらいよどみなくキリッとしたテクニック。セクションプレイでは遠目だったのではっきりは分からないけどブルーラッカーのトランペットをお吹きでした。

指揮は元のトロンボーン奏者テリー・ウッドソン氏。フェイス没後の新生の楽団としてはニック・ペリート氏に続いて2代目の指揮者かな。1974年の来日公演ではおそらくトップを吹かれています。


今回の配布されたプログラム(アンコールは帰りに掲示されていたもの)

第1部
1.夏の日の恋 / 映画「避暑地の出来事」より
2.運がよければ〜あの娘の顔に馴れてきた〜素敵じゃないの〜踊り明かそう〜時間通りに教会へ / 「マイフェア・レディ」より
3.サンライズ・サンセット / 「屋根の上のヴァイオリン弾き」より
4.星影のステラ
5.テンプテーション
6.追憶
7.いそしぎ
8.スパニッシュ・ハーレム
9.波〜デリカード
10.ナマズ横丁〜くたびれもうけ〜ベスよ、おまえは俺のもの〜そうとも限らない〜サマータイム〜アイ・ラブズ・ユー・ポギー〜もうすぐニューヨーク行きの船が出る / 「ポーギーとベス」より

第2部
1.夏の日の恋
2.オレンジ・ブロッサム・スペシャル
3.ゴッドファーザー愛のテーマ
4.ララのテーマ / 「ドクトル・ジバコ」より
5.タラのテーマ / 「風と共に去りぬ」より
6.燃えよドラゴン
7.バラ色の人生
8.ムーン・リバー / 「ティファニーで朝食を」より
9.エル・ランチョ・グランデ
10.ラ・ゴロンドリーナ
11.メキシカン・ハット・ダンス

アンコール
1.ムーランルージュの歌
2.サウンド・オブ・ミュージック
3.神の丘
4.サヨナラ
5.夏の日の恋'76



編成は弦楽器が6−6−4−4−1※(大部分はリズムセクションのウッドベースとエレキベースの持ち替えで、弦楽アンサンブルのバスパートも兼任、ウッドベースはアンプ付き)
木管:4※(サックス、クラリネット、フルート、オーボエ、バスクラリネットを持ち替え)
Hr:2
Trp:4
Trb:3

ドラムス、ギター、ピアノ&キーボード、
マルチパーカッション、それぞれ1

以上38人編成。前回の来日時(何年なのかは分からないけど)の写真がおそらくチラシに使われていたものと思われるので、その写真と、2枚目は所有している宝物の一枚、1974年5月19日新宿厚生年金ホールでのフェイス自身の指揮によるライブ録音のLPのジャケット写真。ご覧の通り編成は全く一緒。
P.F.08.jpg

P.F.74.jpg

普段僕が演奏しているシンフォニーオーケストラからすると、弦楽器の人数が極端に少ないので、PA(拡声)された音響なのかなと思っていたら、ベースとギター、それにキーボードがアンプとスピーカーを舞台上に置いているだけで、あとはソロを含めてすべて生の音。

さすがにリズム隊とブラスが活躍する曲では、弦楽アンサンブルは聞こえなくなってしまうんだけど、でも全く気にならない。古い方の作品の多く、弦楽アンサンブル主体の演奏は、コントラバスが一人でしかもアンプで拡声されているのに全く気にならない自然な響き。ひょっとしたらクラシカルなアンサンブルの時はアンプを通さずに弾いていたのかも知れない。推測ですけど。


それから注目していたのが、有名な話なんだけど、木管プレーヤーの皆さんの持ち替えの名人技。1974年のライブ盤聴いていてもこりゃ大変だろうなぁと思うくらい次々に違う楽器が聞こえてくるわけですが、サックスはおそらくアルト4人?。フルートは4人ともお吹きになったみたい。オーボエとクラリネットはたぶん二人ずつかオーボエ1人にクラリネット3人かな。それとバスクラが一人。いやあお見事でした。別にメモしながら聴いていた訳じゃないので、曖昧でスミマセン。

それからお名前が全く聞き取れなくて、パンフレットが欲しかったところなんだけど、サックスのソロもかなりお年を召した方なんだけど、聞こえてくるのは耳慣れたサウンドとフレーズ。やはりオリジナルの録音に参加された方なのか。しかし演奏者のお名前くらいはプログラムに入れないとねぇ。

ツアーとしては18公演のうち、あと4公演を残すところまで進んで、今はメンバーの皆さん仙台あたりで、休日を楽しんでいらっしゃるのでしょうか。ツアー日程表を見ると移動日1日を含む5日間のオフがあって、連日大変だろうけど、僕が春先に体験したような大変さは無いので、ある程度リラックスしたツアーだろうと想像してます。



と、ここまでは演奏会リポートみたいなもので、ここからは雑感というか感想文。毎度長くてすみません。



会場を見渡すと、ほとんどは60歳を過ぎていると思われるお客さんがほとんど。若者は皆無に等しい。

パーシー・フェイスが亡くなってすでに32年も経ってしまったんだけど、フェイスの死後、ニック・ペリート氏の指揮で、スコアはオリジナルを使っての新しい録音のCDが何枚かリリースされました。うち2枚ほど購入してみて、どうもクリアすぎるデジタル録音で情緒がないというか、個人的には馴染めなくて、iTunesとiPodのプレイリストのパーシー・フェイスのところからは外してます。

よくよく考えてみたらそりゃLPレコードのアナログ録音か、アナログ録音をCDにして復刻した演奏しか聴いたことがないので、それが好きなんだから、あとから違う指揮者でリメイクされた作品はどうも好きにはなれない。


という事を考えていたので、正直演奏会自体はそれほど期待していなかったのです。演奏に期待しないと言うことではなくて、受け取る自分の気持ちの問題。

ところが、本当に楽しかった。生の演奏の響きも良かったし、心のこもった丁寧な演奏という感じがした。なんだかフェイスがそこにいるような感覚もあって、本当に楽しめました。所々のビブラホンやハープシコード(キーボードで代用)を使ったフェイス独特の特徴的な響きを随所で楽しめたし。


別に理屈をこねなくてもいいんだけど、予想に反して楽しく聴くことが出来た訳を自分なりに考えてみました。

38人、いや指揮者を入れれば39人の中に何人も、まだまだフェイスの元で演奏してきたプレーヤーがいらっしゃること。

それから、一番のキモだったのが指揮のテリー・ウッドソン氏の出すテンポが、絶妙に良くて、これはフェイスと一緒にやってきた人じゃないと出来ないだろうなと感じたこと。すぎやま先生の作品はやっぱりすぎやま先生が出されるテンポが一番しっくり来るのと同じ理屈。

それから演奏会の構成自体は1974年と曲目こそ違うけど全く一緒。オケの編成も舞台上の配置も不変。アンコールに演奏される「サヨナラ」に思わず涙。

近年少しでも編成を小さくするのが当然なポピュラー音楽界にあって、オリジナルのままの編成、オリジナルのスコア、オリジナルのメンバーの存在感、そしてフェイスを直接知る人が指揮。この手の演奏会、指揮者の本番での一番大事な仕事はテンポを決めることだと思います。トンチンカンなテンポを出されたら台無しです。すべて良かったと思います。それからスピーカーを通じた音ではなく(一部補助的にありましたが)、生のアコースティックな響きが本当に心地良かった。

プレーヤーも歳を取っていくわけだし世代交代もしているはずなんだけど、オーケストラはこうして脈々と継続されているわけで、もはやこれはクラシックと言っても良いですね。若い人たちにも是非聴いて欲しいところなんだけどなぁ。

ありきたりのシメになってしまいますが、やっぱりライブの音楽のすばらしさ、痛感いたしました。手間暇かけて作られる音楽からは、特にライブだと感じ取るものが多い気がします。本当に次回の来日が待ち遠しいのですが、マネジメントの事務所はWeb Siteがありません。これが今回最大の不満点かも。


posted by こが@管理人 at 17:52| Comment(5) | TrackBack(0) | Percy Faith & Easy Listening | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
14日オーチャードホールで聴いてきます。
「演奏はもう本当に素晴らしいの一言。大満足。」の古賀さんの評価で期待が高まります。

正直なところテリー・ウッドソンのパーシー・フェイスは初めて聴くので少しばかり心配でした。
長年マエストロの後を引き継いできたニック・ペリートが亡くなってしまいどうなることかと。
でも心配は無用のようですね。

私は歳のせいもありパーシー・フェイス自身が率いた初来日から聴いています。ニック・ペリートも良かったですが、やはり本物の存在感は圧倒的だったと記憶しています。初来日時はトランペットにマニー・クライン、2回目だったと思いますがピアノにジョー・サンプル、ヴァイオリンになんとハーマン・クレバノフが座っていました。今思えば夢のようなメンバー達です。

パーシー・フェイス・オーケストラは、マエストロ亡き後もツアーだからと楽員の質を落とすようなことをせず、優れた演奏を届けようとするところに彼等の矜持が窺われます。

恐らく今回も「神の丘」あたりでは大いに盛り上がったのではないでしょうか。

それにしてもパンフレットが無いというのは困ったことですね。私はいつも記念に買って帰ることにしているのですが、たいして売れまいと印刷部数をケチッたのでしょうか。

Posted by ちゃいこ at 2008年06月10日 16:08
14日に行かれるんですね。時間があればまた行きたいのですが、売り切れでしょうし。ネタバレ的なことがあったら申し訳ありませんでした。是非是非楽しんできてください。ただ、オーチャードはあの編成にはあまりにも天井が高いので、ひょっとしたらPAが入るのかどうなのか・・・・気になります。

僕は池袋でしたが本当に素晴らしい演奏でした。ありがちなお仕事的に流した感じなどは全くなく、本当に心のこもった演奏だったと思います。

フェイス自身の指揮の時に聴いておきたかったですね。豪華なメンバーとのステージ、さぞ楽しかったんじゃないでしょうか。

しかし74年ライブ盤のリマスター再発して欲しいです。74年来日時のトランペットセクション、スタンケントン楽団でも活躍したバディ・チルダース氏がリードトランペットで、彼がリードのセクションはフェイスのアルバムの中でも最強のトランペットセクションじゃないかと思います。

アンコールに「神の丘」が来るとは思ってもみなかったので、すごく楽しめました。そして、それに続く「サヨナラ」、いや良かったですね。というか、この辺がネタバレ的な話になってしまうのですが、一応パーシー・フェイス協会のBBSでは早々と公開されていました。

パンフレットは係員の方に確認しましたが、物販はCDのみでした。やはり経費を抑えるためなんでしょうかね。残念でした。

Posted by こが@管理人 at 2008年06月11日 01:27
昨日、聴いてきました。演奏は古賀さん仰る通りたいへん良かったです。mixiの仲間数人と一緒でしたが皆さん満足されていました。

古賀さんが予想された通りストリングスもPAを使っていましたが、席が良かったせいかうるさく感ずることもなく、ポール・モーリアのようにヴァイオリンに直接ピン・マイクを付けるような変なことはしないため、肥大化した弦の音を聴かされることもありませんでしたので、とても心地良かったです。

聴衆は全く(自分のことは棚に上げ)年寄りばかりでビックリでした。高齢化社会の縮図のようでしたが、ムード・ミュージックもいよいよ先が見えたかと暗然たる思いが致しました。同行したマイミクにひとり40歳そこそこの人がいます。希望の星です。

尚、やはりパンフレットはありませんでした。
Posted by ちゃいこ at 2008年06月15日 13:26
51歳、イージーリスニング特にパーシー・フェイスファンの男性です。ネットサーフィンをしていて、たまたまこのページにたどり着きました。

もう、ずいぶん昔のことになってしまいましたが
コンサートを懐かしく思い出しました。
私は、残念ながらパーシー御本人のコンサートはレコードでしか体験しておりませんが、ニックとテリー指揮は会場で堪能しています。専門家の方から見たパーシー・フェイス・オーケストラの素晴らしさを読ませて頂き、改めてあの感動を思い出しました。

もうずいぶん、コンサート無いですね。会場の聴衆の年齢層からすると、開催すればある程度の観客は見込めると思うのですが・・何よりも若い人にあの生の音の感動を味あわせてあげたい。

プロモーターさん、なんとか考えてみてください。
Posted by NOBUKKO at 2012年01月31日 16:10
>NOBUKKOさま
はるばる?おいでいただきましてありがとうございます。近い年代の方でパーシー・フェイスのファンの方は初めてですね。寂しい思いをしておりました(笑)

コンサートのことを改めて思い出しました。僕は音楽の専門家とはいえ、本業以外のことですし、ほとんど素人に近いと思います。本格的なファンの足元にも及びませんが、、、

あれだけのコンサートを商業ベースで続けて行くのは今の時代難しいのかも知れませんが、是非若い世代にも広がっていくよう望みたいところですね。丁寧に準備された心のこもった演奏というのはそれだけで感動するものだと思いました。また来日されるのを期待したいです。
Posted by こが@管理人 at 2012年02月02日 00:41
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